2024-10-22
住宅ローンを組んで不動産を購入すると、金融機関などの債権者は、その不動産を担保とする「抵当権」を設定します。
金融機関が担保として不動産に設定する権利に、「根抵当権」というものがありますが、「抵当権」とは特徴が異なるため、不動産を売却するときには注意が必要です。
そこで今回は、根抵当権とはなにか、その特徴や不動産を売却するときの流れ、注意点について解説します。
群馬県伊勢崎市で、根抵当権つきの不動産の売却をご検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
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まずは、不動産に設定される「根抵当権」とはどのようなものなのか、その特徴について解説します。
根抵当権とは、金融機関とローンの契約を結ぶ際に、借入可能な上限金額を設定して債権を担保する権利のことです。
大きな特徴は、債権を特定しないことと、随伴性がないということです。
一般的には、事業者の方が事業用の資金として融資を受ける場合に「根抵当権」が設定されます。
根抵当権の特徴をより理解しやすくするために、抵当権との相違点について解説します。
根抵当権が抵当権と異なる点は、以下のとおりです。
上限金額までは借入と返済を繰り返せる
抵当権は、特定の不動産を担保にし、債務者が返済期日までに住宅ローンを完済すれば、抵当権は抹消します。
根抵当権は、不動産を担保にして上限金額を決め、その上限金額を超えない範囲で、借入することができます。
たとえば、5,000万円を上限金額とした場合、1,000万円の融資を受け、それを完済しても、根抵当権は消えません。
1,000万円の融資の返済中であっても、新たに4,000万円までは借入できます。
随伴性がない
随伴性とは、債権者が債権を第三者に譲渡した場合、つまり不動産を売却して所有権を移転したときに、債務も一緒に移転することです。
抵当権の場合は、随伴性があるため、抵当権がついている不動産を取得した方に債務が移転します。
一方、根抵当権には随伴性がありません。
もし根抵当権つきの不動産が譲渡された場合でも、不動産を取得した方が根抵当権を行使してお金を借り入れることはできないのです。
新たなローンの審査が不要
抵当権の場合、債務を完済すれば抹消するため、新たにローンを組みたい場合は、金融機関の審査にとおらなければなりません。
根抵当権は、上限金額の範囲内であれば、新たに借り入れるために審査を受ける必要がありません。
登記は1度のみ
不動産に抵当権が設定されると、登記簿上にも記録されます。
そして、住宅ローンを完済したあと、抵当権抹消登記をおこなうことで、登記簿上から抵当権が抹消されます。
新たに融資を受ける場合は、そのときに登記手続きが必要です。
その都度、登録免許税もかかります。
根抵当権の場合、根抵当権を設定するときにおこなう登記手続きのみです。
したがって、融資を受けるたびに登記手続きをする必要がないため、登録免許税が課されるのも1回のみです。
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根抵当権の主な特徴と、抵当権との相違点について前章で解説しましたが、残債を完済しても消えない根抵当権がついている不動産は、売却できるのか不安な方もいらっしゃるでしょう。
根抵当権は、一般的に、事業者が運転資金を借り入れるための担保権であるため、個人の方には必要ないケースがほとんどです。
しかし、「相続で取得した不動産に根抵当権がついていた」というケースもあります。
根抵当権つきの不動産は、売却が困難になります。
そこで、そのような不動産を売却する際には、以下のような流れで進めましょう。
そもそも、債務が残っている不動産を売却することはできません。
それは、抵当権も根抵当権も同様です。
自己資金で残債を完済できる場合は問題ありませんが、不動産の売却代金を返済に充てるのであれば、まず残債額と不動産の査定価格を確認する必要があります。
抵当権は、売却代金で完済できるのであれば、通常の不動産売却と同じ流れで、売却を進めることができます。
根抵当権の場合は、金融機関と交渉しなければなりません。
なぜなら、根抵当権の抹消は、金融機関が快く認めない可能性があるからです。
根抵当権がついていれば、債務者は借入を繰り返しおこなうため、金融機関にとって利益になります。
根抵当権を抹消すると、完済した際に関係が切れてしまうため、金融機関にとっては、根抵当権をつけたまま継続したいのが本音です。
しかし、承諾を得なければ不動産を売却できないため、粘り強く交渉することが大切です。
金融機関の承諾が得られたら、借入金を明確にするための「元本確定」をおこないます。
元本確定をおこなうと、それ以降、お金を借り入れることができません。
そして、根抵当権は、通常の「抵当権」と同じ性質に変わります。
そうすることで、残債を完済すれば、抵当権を抹消できるようになります。
元本確定後は、売却活動をおこなって買主を探します。
売却代金の決済と同時に残債を完済し、根抵当権抹消手続きをおこなえば、売却の完了です。
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根抵当権つきの不動産を売却するうえで注意すべきことがあれば、事前に把握しておくと、スムーズに手続きが進みます。
そこで最後に、根抵当権つきの不動産を売却するときの注意点について解説します。
根抵当権は、不動産の所有者と債権者が同一であるとは限りません。
たとえば、第三者の不動産を担保にして根抵当権を設定しているというケースもあります。
この場合、第三者は借金をしているわけではないけれど、他人の借金のための責任を、自分の不動産によって保証しているということになります。
そうなると、不動産の所有者が知らないうちに、債権者が借入を繰り返し、返済できなくなるというトラブルが発生する恐れがあるため注意が必要です。
不動産の売却のために、根抵当権を抹消する場合、先述のとおり、元本確定をおこなう必要があります。
元本確定をおこなうと、通常の抵当権と同じ性質になり、根抵当権のように繰り返し融資を受けられなくなります。
また、一度元本を確定すると、根抵当権に戻すことはできません。
根抵当権の抹消が、不動産を売却することが目的であれば問題ないでしょう。
しかし、親から相続した不動産で事業を継続する場合など、根抵当権を抹消すると、これまでのように運転資金が足りなくなったときに、限度額内でお金を借り入れることができません。
新たに審査を受け、ローンの契約をしなければならなくなります。
したがって、事業を引き継ぐ場合や、今後も融資を受ける可能性がある場合は、根抵当権を抹消すると元に戻せないことを頭に入れておく必要があります。
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根抵当権とは、あらかじめ借入できる上限金額を設定し、債権を担保する権利のことで、上限金額の範囲内で、繰り返しお金を借り入れることができます。
事業資金の借入が目的のケースが多く、個人の方が根抵当権つきの不動産を相続などで取得しても、売却が困難になります。
残債を完済できる場合は売却が可能であるため、根抵当権を抹消したい場合は、金融機関と粘り強く交渉し、早めに売却を進めましょう。
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