2023-06-20
相続手続きをおこなっている最中に、相続人の1人が亡くなってしまうことがあります。
このような場合、数次相続という手続きが必要になるため、事前に注意点を確認しておくことが大切です。
今回は、不動産を数次相続する際の注意点や手続き方法を解説します。
群馬県伊勢崎市で不動産を相続予定の方は、ぜひ参考になさってください。
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はじめに、数次相続とはなにか、代襲相続とどう違うのかを解説します。
数次相続とは、相続の手続き途中に相続人が亡くなり、次の相続手続きが発生することです。
たとえば父親が亡くなり相続が発生すると、父親の遺産は母親とその子どもが引き継ぐことになります。
しかし、父親の相続手続きが終わらないうちに、母親まで亡くなってしまったとしましょう。
この場合、残された子どもたちは父親の財産だけでなく、母親の財産に対する遺産分割協議もおこなわなければなりません。
このように、1人目の遺産分割協議が終わらないうちに、次の相続が発生することを数次相続といいます。
数次相続と似たものに「代襲相続」がありますが、双方は似て非なるものです。
代襲相続とは、相続が発生した際に、本来相続するはずだった方がすでに亡くなっているときに発生します。
たとえば、祖父が亡くなり相続が発生したものの、相続人にあたる父親がすでに亡くなっていたとしましょう。
この場合、祖父の孫にあたる相続人が、父が相続するはずだった祖父の遺産を引き継げます。
数次相続と代襲相続では、相続人の亡くなるタイミングが異なります。
代襲相続が発生するのは、相続人になるはずの方が被相続人より先に亡くなっているケースです。
一方で数次相続は、被相続人が亡くなり、手続きを終える前に相続人が亡くなったときに発生します。
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続いて、実際に数次相続が起きた場合に、注意しておきたいポイントを解説します。
最初の相続で、相続人に課された相続税の申告・納税義務は、次の相続人にも引き継がれます。
たとえば、父親が亡くなり遺産分割協議を進めている途中に、相続人である長男も亡くなったとします。
この場合は、長男がおこなうはずだった相続税の申告および納税を、長男の妻と子どもがおこなわなければなりません。
被相続人の遺産総額が基礎控除額を超える場合、相続税が課されます。
相続税が発生したら、被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内に申告しなければなりません。
しかし、相続税を納めるはずの方が申告前に亡くなった場合は、申告期限が延長されます。
具体的には、その方の死亡を知った日の翌日から10か月以内に申告をすれば良いとされています。
ただし、被相続人の遺産を直接相続する相続人については、通常通りの申告期限となり延長はありません。
遺産のなかに借金やローンなどの負債が含まれている場合、相続人はその負債も引き継ぐことになります。
プラスの財産よりも負債が多いと、相続人にとって大きな負担となってしまうため、手続きをすれば相続権を放棄することが可能です。
これを相続放棄といい、相続放棄をすれば、はじめから相続人でなかったものとして扱われます。
たとえば、祖父が亡くなってすぐに父親も亡くなり、祖父には多額の借金があったとしましょう。
数次相続においては、祖父の財産と父親の財産それぞれに対して、相続放棄ができます。
ただし、父親の財産に対する相続権を放棄して、祖父の財産だけを受け入れることはできません。
父の相続を放棄した時点で相続人でないものとみなされ、祖父の財産に対する相続権を失うためです。
相続放棄をする際は、ご自身が相続人であることを知った日から3か月以内に手続きをする必要があります。
この期間を過ぎてしまうと、マイナスの遺産もすべて相続することになるためご注意ください。
相続税には基礎控除が設けられており、遺産の総額が控除額を超えなければ、相続税はかかりません。
相続税の基礎控除額を求める計算式は以下のとおりです。
基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
法定相続人の数が増えると控除額も多くなるのが特徴です。
数次相続では相続人が増えることもあるため「基礎控除額も増えるのでは?」と思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、基礎控除額は「被相続人の相続が発生した時点での法定相続人の数」で計算するため、増えることはありません。
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最後に、数次相続が発生した場合の手続き方法を解説します。
遺産分割協議は、相続人全員でおこなう必要があります。
相続人が1人でも欠けた状態でおこなわれた協議は無効となり、原則としてやり直さなければなりません。
数次相続においては、1回目の相続だけでなく、2回目の相続における相続人も確定する必要があります。
誰が相続人に該当するかは、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本で確認できます。
遺産分割協議を終えたら、遺産分割協議書を作成します。
遺産分割協議書とは、相続人同士が話し合った内容をまとめた書面のことです。
協議を終えたあとで「言った、言わない」のトラブルになるのを防ぐ役割があります。
数次相続の場合、遺産分割協議書を1つにまとめる方法と、1回目と2回目の相続で協議書を別々に作成する方法があります。
別々に作成する場合は、1回目の相続における遺産分割協議書の書き方に注意が必要です。
通常の分割協議書の書き方と異なる点があるため、以下を参考になさってください。
被相続人についての記載欄
遺産分割協議書では、冒頭部分に被相続人の氏名や生年月日、死亡年月日などを記載します。
誰の遺産を分割するためにおこなわれた協議なのかを明確にするためです。
数次相続の場合、あとで亡くなった被相続人は最初に亡くなった方の相続人でもあります。
そのため、2回目の相続における被相続人の氏名を記載する際は、肩書きを「相続人兼被相続人○○○」とします。
相続人の署名欄
遺産分割協議書の最後には、各相続人が署名と捺印をする欄があります。
通常の相続では「相続人 ××(氏名)」と記入すれば問題ありません。
しかし、数次相続で相続人としての立場が重なる場合は「相続人兼○○○の相続人」と記載する必要があります。
不動産を相続したら、名義を相続人に変更する「相続登記」が必要です。
数次相続においては、原則として1回目の相続に対する登記をおこない、次に2回目の相続登記をおこないます。
通常、複数の権利移転があった際は、最初から最後まで順番通りに手続きを進めなければなりません。
しかし数次相続では、中間の相続人が1人だけの場合に、1回の申請でまとめて登記することが可能です。
これを「中間省略登記」といい、登記費用を節約できるというメリットがあります。
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相続の手続き途中に相続人の誰かが亡くなり、次の相続手続きが発生することを数次相続といいます。
数次相続は通常の相続とは異なる点が多く、手続きが複雑化しやすい傾向にあります。
相続税の申告期限などもあるため、数次相続が発生したら、なるべく早めに手続きを開始するようにしましょう。
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